神戸元町【モトマチ喫茶】静けさを取り戻すレトロな空間で楽しむお茶

こんにちは、おのまり(@レトロな雰囲気漂う神戸元町の喫茶店


席数は18席のこじんまりした喫茶店。テーブルとカウンターに分かれている配置で、ひとりでも入りやすい。
木の扉を静かに開けると、薄暗い照明や木彫の家具が、レトロな雰囲気を醸し出している

新聞を広げる人、本を読みふける人。
どこに座ろうかと周りを見渡すと、個々が思い思いに過ごしていた。

喫茶店という1つのまとまった空間の中に、孤立した個人の時間が流れている。
入った時の不思議さは、ここから来ているのか。

テーブル席について、バスのシートがもっと分厚くなったような椅子に腰かける。

小さなメニューと豊富なラインナップ

テーブル上には小さなメニューが置かれている。
一番に目に止まるのは、季節限定と書かれたラムレーズンの紅茶。
他も珈琲はもちろん、レモンスカッシュやトースト、あずきクリーム白玉、ココア、チーズケーキなど、種類豊富なラインナップに目移りする。

その中から今日の気分で、

カフェオーレ480
自家製カスタードプリン280

を注文。

店員さんは奥に居るようだけど見えない。だから、自ら静かな空気に声をかけた。

今を忘れるレトロ喫茶店 神戸元町の静かな空間

干渉されることのない空間

心を完全に1人にすることが難しい今日。
せめてお茶で一息つく時間くらい、お好きなようにどうぞ。
そんな風に言われているみたい。

どんなに近い存在でも、自分と全く同じ考えで思いの人なんて、1人も居ない。
その違いこそが、一番輝く部分なのに。時に周りとの距離があまりに近くて、合わせることに必死になる。そして、気づけば個性を殺しかけていた。

でも、そんな生き方、ちっとも面白くない。
忙し過ぎると感じる時こそ、自分の心へ耳を傾ける時間が必要なのかもしれない。

そう感じる自分とは反対に、店員さんの程よい距離感に、どこかでかまってもらいたい自分がいる。
そこで気づいた。愛に甘えた自分が、周りとの距離を近づけ過ぎていたんだ。

アンティーク食器でサーブされるお茶たちが、レトロ喫茶店に磨きを

そう考えている内にテーブルに並んだ、プリンとカフェオーレ。

大きくて艶やかながらも、デコボコしたプリン。そのデコボコにソースが染み込んでいる。
だから、どこからすくっても、カスタードの甘さの後にほろ苦さが追ってくる。
ツルピカ表面より、少しくらいデコボコしている方がずっと味わい深いね。

カフェオーレはあつあつで、舌がじんわりする。とんがりそうな濃い珈琲に、ミルクがなだめる
苦すぎる手前でブレーキがかかっているから、ブラックが飲めない私にとっては最高のバランス。

それぞれのテーブルに、それぞれの注文が並ぶように、人は十人十色
その日の気分も、好みも、時間の楽しみ方も色々。

気づけば店員さんの距離感も、心地良さに変わり、ほっとかれることをすんなり受け入れている。
自分は自分の心に素直に、時間を刻んでいこうと、日常から離れた喫茶店を後にした。

1人の時間を大切に出来る空間で、食べるほんのり苦くて甘いプリン。
そこに、おいしいお茶があるだけ。ただそれだけが、この喫茶店の最高の魅力。

【モトマチ喫茶】
住所:〒650-0012 兵庫県神戸市中央区北長狭通3丁目9-7
アクセス:元町駅各線から徒歩約5分
電話番号:078-778-0727
営業時間:12:00~21:30
定休日:月曜日